労災保険はすべての労働者が対象
労災保険は、1人でも労働者を雇っていれば加入義務があります。パート、アルバイト、日雇いを含め、すべての労働者が対象です。加入手続きをしていなくても、労働者は給付を受けられます(その場合、事業主は保険料の徴収に加えて費用の一部を徴収されることがあります)。
発生時の対応
- 負傷者の救護を最優先 … 救急車、病院へ
- 労災指定病院を受診 … 指定病院なら窓口負担なしで治療を受けられます。健康保険証を使ってはいけません(後で切り替えの手続きが必要になります)
- 事実を記録 … 日時、場所、状況、目撃者、写真
- 労働基準監督署へ報告
- 労災保険の給付請求
- 原因究明と再発防止
労働者死傷病報告
労働災害により労働者が死亡または休業した場合、労働基準監督署へ報告する義務があります。
- 休業4日以上 … 遅滞なく提出
- 休業1〜3日 … 四半期ごとにまとめて提出
労災隠しは犯罪
報告をしない、虚偽の報告をすることは「労災隠し」と呼ばれ、労働安全衛生法違反として送検されることがあります。
隠す動機として「保険料が上がる」「取引先に知られたくない」という心理が働きますが、
- 発覚したときの社会的信用の失墜が、比較にならないほど大きい
- 労働者が健康保険で治療すると、後から健保から費用を請求されます
- 労働者との信頼関係が完全に失われます
主な給付
- 療養補償給付 … 治療費(自己負担なし)
- 休業補償給付 … 休業4日目から、給付基礎日額の60%(+特別支給金20%)。最初の3日間は事業主が休業補償を行います
- 障害補償給付、遺族補償給付、葬祭料
- 傷病補償年金
通勤災害も対象
通勤途中の事故も労災の対象です(通勤災害)。ただし、合理的な経路・方法であることが条件で、私的な寄り道をした後は原則として対象外になります(日用品の購入など、日常生活上必要な行為には例外があります)。
役員は原則対象外
労災保険は労働者のための制度なので、役員は原則として対象外です。ただし、
- 中小事業主等の特別加入制度 … 一定規模以下の事業主とその家族従事者が加入できます。現場に出る業種の代表者は検討してください
- 一人親方、特定作業従事者、海外派遣者にも特別加入があります
予防
- 安全衛生教育 … 雇入れ時、作業内容変更時に義務
- 危険な作業の手順書
- 保護具の支給と着用の徹底
- 健康診断 … 年1回、雇入れ時
- ヒヤリハットの記録 … 大きな事故の前には、必ず小さな予兆があります
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