資金繰り表の作り方 — 利益が出ていても現金は足りなくなる
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黒字倒産は珍しい話ではありません。損益計算書は現金の動きを表さないからです。エクセル 1 枚で作る資金繰り表の最小構成を示します。
なぜ利益と現金がずれるのか
売上は、入金があった月ではなく商品やサービスを引き渡した月に計上されます。末締め翌月末払いの取引先なら、3 月に納品した売上の現金が入るのは 4 月末です。一方、その仕事のために 3 月に外注費や仕入れを払っていれば、現金は先に出ていきます。
この「ずれ」が積み上がると、損益計算書は黒字なのに口座の残高が尽きるという状態になります。会社が潰れるのは赤字だからではなく、現金が尽きたときです。
最小構成の資金繰り表
月ごとに縦に並べ、次の行だけあれば実用になります。
- 前月繰越(=前月末の現金・預金残高)
- 営業収入 … 売掛金の回収、現金売上
- 営業支出 … 仕入・外注費、人件費、家賃、水道光熱費、支払手数料
- 営業外・臨時 … 税金の納付、社会保険料、設備投資、保険料の年払いなど
- 財務収支 … 借入れによる収入、借入金の返済(元本)
- 翌月繰越(=前月繰越+収入−支出)
ポイントは、発生ベースではなく入出金ベースで書くことです。売上ではなく「回収」、仕入ではなく「支払」を入れます。
創業期に必ず書き込む 4 つの支出
抜けやすく、かつ金額が大きい項目です。
- 決算月の 2 か月後 … 法人税・住民税・事業税・消費税の納付
- 毎月または年 2 回 … 源泉所得税(納期の特例なら 7 月と 1 月)
- 毎月 … 社会保険料(当月分を翌月末に納付)
- 年 1 回 … 労働保険料の年度更新、各種保険の年払い
最低 6 か月先まで書く
3 か月では手が打てません。資金が足りなくなると分かってから融資を申し込んでも、実行まで 1 か月以上かかります。6 か月先まで見えていれば、足りない月の 3 か月前には動けます。
精度は要りません。売上を保守的に、支出を多めに見積もって、毎月末に実績と差し替えていく。これを続けるだけで、資金の見通しに対する感覚が身につきます。会計ソフトの資金繰り機能を使ってもよいですが、自分で 1 度は手で作ることをおすすめします。どの数字がどこから来ているかが分かるからです。
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