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期末の棚卸 — 数え方ひとつで利益と税額が変わる

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在庫が多いほど利益が増え、税金も増えます。実地棚卸の手順、評価方法、評価減できる条件を整理します。

目次(6 項目)
  1. なぜ利益が変わるのか
  2. 実地棚卸の手順
  3. 評価方法
  4. 評価減できる場合
  5. 廃棄する場合
  6. 仕掛品も対象

なぜ利益が変わるのか

売上原価 = 期首在庫 + 当期仕入 − 期末在庫

期末在庫が大きいほど売上原価が小さくなり、利益が増えます。つまり納税額も増えます。逆に在庫を実態より少なく計上すると脱税になります。

在庫の数え方は、経営者の裁量ではなく事実に基づいて正確に行う必要があります。

実地棚卸の手順

  1. 棚卸日を決める … 原則は決算日。営業を止められない場合は、前後の入出庫を調整して決算日の在庫を算出します
  2. 棚卸表を用意 … 品目、規格、数量、単価、金額
  3. 2人1組で数える … 1人が数え、1人が記録。可能なら別の人が再カウント
  4. 数え漏れやすい場所を確認 … 倉庫以外の保管場所、外注先に預けてある材料、輸送中の商品、返品予定品、委託販売で他社の店舗にある商品
  5. 他社から預かっている在庫は除く

評価方法

原価法(最終仕入原価法、総平均法、移動平均法、先入先出法など)か低価法を選びます。届出をしなければ最終仕入原価法が法定の評価方法です。

最終仕入原価法は、期末に最も近い仕入単価で全量を評価する方法で、計算が最も簡単なため中小企業で広く使われています。

評価減できる場合

次に該当する在庫は、時価まで評価を下げて損失を計上できます。

  • 災害により著しく損傷した
  • 著しく陳腐化した … 型崩れ、品質変化、季節商品で売れ残り、新製品の発売により通常の方法では販売できない
  • 破損、型崩れ、たなざらし、品質変化により通常の方法で販売できない

「単に売れ行きが悪い」だけでは評価減できません。陳腐化の事実を示す資料(値下げ販売の記録、同型商品の販売状況、写真)を残してください。

廃棄する場合

売れない在庫を廃棄すれば廃棄損として損金にできますが、証拠が必要です。

  • 廃棄品のリスト(品目、数量、金額)
  • 廃棄業者の処分証明書、マニフェスト
  • 廃棄の様子の写真
  • 社内の廃棄稟議

証拠がないと、「実は売却した」「社外に流出した」と疑われます。

仕掛品も対象

製造業や受託業では、まだ完成していない仕掛品も棚卸資産です。投入した材料費・労務費・経費を集計して計上します。受託開発で「作業は進んでいるが請求はまだ」という状態は、仕掛品として計上する必要があります。

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