経費になるもの・ならないもの — 判断に迷う 10 のケース
「事業に必要かどうか」が基準ですが、実務では線引きが難しい支出が出てきます。よく相談される項目を、考え方とセットで整理しました。
大原則 — 事業との関連性を説明できるか
法人の経費(損金)になるかどうかは、その支出が事業のために必要だったと説明できるかで決まります。税務調査で問われるのもここです。領収書があるかどうかではなく、何のための支出かを説明できるかが本質です。
迷いやすい 10 ケース
①自宅兼事務所の家賃 … 事業に使っている面積の割合で按分すれば経費になります。法人の場合は社宅として会社が契約し、役員から一定の賃料を受け取る形が一般的です。
②スーツ・衣類 … 原則は経費になりません。私生活でも使えるためです。制服や作業着、ロゴ入りのユニフォームは可。
③接待交際費 … 中小法人(資本金 1 億円以下)は年 800 万円まで損金算入できます。ただし誰と、何の目的でを領収書の裏や経費精算に必ず残してください。記録がないと否認されます。
④1 人あたり 1 万円以下の飲食費 … 得意先との飲食で 1 人あたり一定額以下のものは、交際費から除いて会議費等として処理できます(基準額は税制改正で変わるため、最新の取扱いを確認してください)。社内の人間だけの飲食は対象外です。
⑤自家用車 … 事業での使用割合で按分。走行記録があると説明しやすくなります。
⑥資格取得費用 … 業務に直接必要な資格なら経費。ただし、その人の一般的な資格(弁護士、税理士など、個人に帰属する資格)の取得費用は給与として扱われることがあります。
⑦健康診断 … 全役員・従業員を対象に、常識的な範囲の費用であれば福利厚生費。代表者だけの人間ドックは否認されやすいです。
⑧生命保険料 … 契約形態と保険の種類で扱いが分かれます。全額損金、半額損金、資産計上のいずれかになります。加入前に必ず確認してください。
⑨10 万円以上の備品 … 原則は固定資産として減価償却します。中小企業者等の少額減価償却資産の特例により、30 万円未満なら年間 300 万円までを一括で損金にできます(適用期限あり)。
⑩旅費・出張費 … 業務上の出張は経費。出張旅費規程を作って日当を支給する方法もありますが、金額が社会通念上妥当である必要があります。
迷ったときの実務
グレーな支出は、経費に入れるかどうかより、根拠を残すかどうかのほうが重要です。目的・相手・内容をメモしておけば、調査で聞かれても説明できます。判断に迷う金額の大きい支出は、事前に税理士に確認するのが最も安上がりです。
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