補助金を受け取ったときの会計と税金 — 圧縮記帳で課税を先送りする
補助金は収入として課税されます。設備投資に使った場合、そのままだと税負担が跳ねるため、圧縮記帳という制度があります。
補助金は課税対象
受け取った補助金・助成金は、法人税法上の益金(個人事業なら事業所得等の収入)になります。「返済不要のお金だから税金はかからない」というのは誤りです。
ここで問題が起きるのは、設備投資に補助金を使った場合です。
- 補助金1,000万円を受け取る → その年に1,000万円の収入
- 設備2,000万円を購入 → 減価償却で数年〜十数年に分けて経費化
収入は一度に立ち、経費は分割される。結果、受け取った年に多額の法人税が発生し、手元に残るお金が想定より大幅に減ります。
圧縮記帳という解決策
これを緩和するのが圧縮記帳です。補助金の額だけ固定資産の帳簿価額を減額(圧縮)し、同額を損金に計上します。
先の例なら、設備の取得価額2,000万円を1,000万円に圧縮し、圧縮損1,000万円を計上します。補助金収入1,000万円と相殺されるため、その年の課税は生じません。
ただし課税が免除されるわけではありません。帳簿価額が下がるため、その後の減価償却費が小さくなり、将来の利益が増えます。つまり課税の繰り延べです。それでも、受け取った年の資金繰りを守れる価値は大きい。
圧縮記帳の要件
- 国庫補助金等に該当すること … 多くの補助金が該当しますが、すべてではありません
- その補助金で固定資産を取得していること
- 補助金の返還を要しないことが確定していること
- 確定申告書に圧縮額の損金算入に関する明細書を添付すること
返還不要の確定が翌期にずれるケースでは、いったん特別勘定を設ける処理が必要になります。ここは税理士の領域です。
消費税の扱い
補助金は消費税の課税対象外(不課税)です。対価性がないためです。
注意が必要なのは、仕入税額控除との関係です。補助金で購入した資産についても仕入税額控除は受けられますが、特定収入(補助金等)が一定以上ある場合の調整規定があります。免税事業者・簡易課税なら影響は限定的ですが、本則課税なら確認してください。
助成金の場合
雇用関係の助成金も同様に益金です。ただし人件費に充当されるものが多く、対応する経費が同じ期に計上されるため、設備補助金のような歪みは起きにくい構造です。
実務上やること
- 採択が決まった時点で税理士に相談し、どの期に収入計上するか、圧縮記帳が使えるかを確認する
- 資金繰り表に納税の見込みを入れる
- 補助金の入金時期と納税時期のずれを確認する
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