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赤字を繰り越す — 欠損金の繰越控除と繰戻還付

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創業期の赤字は、将来の黒字と相殺できる資産です。青色申告が前提で、期限内申告を続ける必要があります。

目次(7 項目)
  1. 欠損金の繰越控除
  2. 数字で見る
  3. 控除限度額
  4. 適用の条件
  5. 赤字でも申告する
  6. 欠損金の繰戻還付
  7. 個人事業の場合

欠損金の繰越控除

青色申告をしている法人は、その事業年度に生じた欠損金(赤字)を、最大10年間繰り越して、将来の所得と相殺できます。

創業期は設備投資や採用が先行し、赤字になりやすい時期です。その赤字を繰り越せるかどうかで、黒字化した後の納税額が大きく変わります。

数字で見る

1期目に500万円の赤字、2期目に300万円の黒字、3期目に400万円の黒字が出た場合。

  • 2期目 … 300万円の所得から繰越欠損金300万円を控除 → 所得ゼロ、法人税なし(均等割は発生)
  • 3期目 … 400万円から残りの繰越欠損金200万円を控除 → 所得200万円に課税

繰越がなければ、2期目と3期目で合計700万円に課税されていました。実効税率30%なら200万円以上の差です。

控除限度額

中小法人等(資本金1億円以下など)は、所得の100%まで控除できます。大法人は所得の50%までという制限がありますが、創業期の会社は通常この制限を受けません。

適用の条件

  • 欠損が生じた事業年度に青色申告書を提出していること
  • その後の事業年度も連続して確定申告書を提出していること(白色でも可だが、連続提出は必須)
  • 欠損が生じた事業年度の帳簿書類を保存していること(10年間

最後の点に注意してください。通常の帳簿保存は7年ですが、欠損金が生じた事業年度の書類は10年保存が必要です。創業初年度の書類は捨てられません。

赤字でも申告する

「赤字だから申告しなくていい」は誤りです。申告しないと欠損金を繰り越せません。また、2期連続で期限内申告をしないと青色申告の承認が取り消されることがあります。

欠損金の繰戻還付

中小企業者等は、当期に生じた欠損金を前期に繰り戻して、前期に納めた法人税の還付を受けることができます。

  • 前期が黒字で法人税を納めていることが前提
  • 前期・当期とも青色申告
  • 確定申告書と同時に還付請求書を提出

資金繰りが厳しいときに現金が戻ってくる制度です。繰越控除は将来の節税ですが、繰戻還付は今の現金になります。前期に納税していたなら検討する価値があります。

ただし、還付請求をすると税務調査の対象になりやすいとも言われます。適正な申告であれば問題ありませんが、根拠資料は整えておいてください。

個人事業の場合

青色申告をしている個人事業主は、純損失を3年間繰り越せます(法人より短い)。また、前年分の所得税の繰戻還付も可能です。

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経営者のコメント

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