撤退ラインを先に決める — 畳む判断は追い詰められてからではできない
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事業を続けるか畳むかは、資金が尽きかけてからでは合理的に判断できません。冷静なうちに条件を決めて書いておく方法です。
判断能力は資金と一緒に減る
資金が減ってくると、判断は必ず歪みます。「あと1件受注できれば」「ここでやめたら今までが無駄になる」という思考になり、個人の貯蓄、カードローン、親族からの借入れへと踏み込んでいきます。
これは意志の弱さではなく、追い詰められた人間に共通する反応です。だからこそ、冷静なうちに条件を決めておくことに意味があります。
決めておく3つの線
- 資金の線 … 「事業用の現金が○万円を切ったら新規投資を止める」「○万円を切ったら撤退の検討を始める」。2段階にするのがコツです
- 時間の線 … 「○か月以内に月商○万円に届かなければ方針を変える」
- 絶対にやらないこと … 「個人のカードローンは使わない」「自宅を担保に入れない」「親族からは借りない」など
特に3つ目が重要です。会社の資金繰りを個人の借入れで埋め始めると、畳む判断そのものができなくなります。個人の負債が残るため、やめるにやめられなくなるからです。
紙に書いて人に見せる
自分の頭の中にあるだけでは、そのとき都合よく書き換えられます。紙に書き、配偶者や信頼できる第三者に見せておくと歯止めになります。
撤退=失敗ではない
撤退は、資産と信用を残したまま次に進むための手段です。債務超過になり、税金や社会保険料を滞納し、取引先に迷惑をかけてから止まるのと、その手前で畳むのとでは、その後の選択肢がまったく違います。
- 個人保証のある借入れを増やす前なら、再就職して立て直せる
- 取引先への未払いを出さなければ、業界での信用は残る
- 滞納がなければ、次に起業するときも融資を受けられる
線に触れたらやること
いきなり畳む必要はありません。線に触れた時点でやるのは外部への相談です。
- 金融機関(延滞する前に。リスケジュールの相談は早いほど選択肢がある)
- よろず支援拠点、商工会議所
- 税理士(税金・社会保険料の納付猶予)
- 状況によっては弁護士(法的整理の選択肢と、個人資産の守り方)
1人で抱えている間に状況が良くなることはまずありません。相談は無料のものが多く、早いほど打てる手が多く残ります。
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