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撤退ラインを先に決める — 畳む判断は追い詰められてからではできない

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事業を続けるか畳むかは、資金が尽きかけてからでは合理的に判断できません。冷静なうちに条件を決めて書いておく方法です。

目次(5 項目)
  1. 判断能力は資金と一緒に減る
  2. 決めておく3つの線
  3. 紙に書いて人に見せる
  4. 撤退=失敗ではない
  5. 線に触れたらやること

判断能力は資金と一緒に減る

資金が減ってくると、判断は必ず歪みます。「あと1件受注できれば」「ここでやめたら今までが無駄になる」という思考になり、個人の貯蓄、カードローン、親族からの借入れへと踏み込んでいきます。

これは意志の弱さではなく、追い詰められた人間に共通する反応です。だからこそ、冷静なうちに条件を決めておくことに意味があります。

決めておく3つの線

  • 資金の線 … 「事業用の現金が○万円を切ったら新規投資を止める」「○万円を切ったら撤退の検討を始める」。2段階にするのがコツです
  • 時間の線 … 「○か月以内に月商○万円に届かなければ方針を変える」
  • 絶対にやらないこと … 「個人のカードローンは使わない」「自宅を担保に入れない」「親族からは借りない」など

特に3つ目が重要です。会社の資金繰りを個人の借入れで埋め始めると、畳む判断そのものができなくなります。個人の負債が残るため、やめるにやめられなくなるからです。

紙に書いて人に見せる

自分の頭の中にあるだけでは、そのとき都合よく書き換えられます。紙に書き、配偶者や信頼できる第三者に見せておくと歯止めになります。

撤退=失敗ではない

撤退は、資産と信用を残したまま次に進むための手段です。債務超過になり、税金や社会保険料を滞納し、取引先に迷惑をかけてから止まるのと、その手前で畳むのとでは、その後の選択肢がまったく違います。

  • 個人保証のある借入れを増やす前なら、再就職して立て直せる
  • 取引先への未払いを出さなければ、業界での信用は残る
  • 滞納がなければ、次に起業するときも融資を受けられる

線に触れたらやること

いきなり畳む必要はありません。線に触れた時点でやるのは外部への相談です。

  • 金融機関(延滞する前に。リスケジュールの相談は早いほど選択肢がある)
  • よろず支援拠点、商工会議所
  • 税理士(税金・社会保険料の納付猶予)
  • 状況によっては弁護士(法的整理の選択肢と、個人資産の守り方)

1人で抱えている間に状況が良くなることはまずありません。相談は無料のものが多く、早いほど打てる手が多く残ります。

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経営者のコメント

同じ時期に会社をつくった経営者が、この記事にどう向き合ったか。

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