1. 業務の範囲
最も揉めるのがここです。「〇〇に関する業務」とだけ書かれていると、追加の依頼を断る根拠がなくなります。成果物、回数、期間、含まない作業を具体的に書く。別紙の仕様書に落として、契約書から参照する形が実務的です。
2. 報酬と支払条件
- 金額(税抜か税込か)
- 支払期日(検収後〇日以内か、月末締め翌月末払いか)
- 交通費・実費の扱い
- 追加作業が発生した場合の単価
「別途協議」は、実務上は「もらえない」と同義になりがちです。単価だけでも先に決めておきます。
3. 検収
いつ、誰が、どういう基準で検収するか。検収期間を定めておかないと、いつまでも支払いが始まりません。「納品後 10 営業日以内に検収し、期間内に通知がない場合は検収が完了したものとみなす」といった条項を入れます。
4. 知的財産権の帰属
成果物の著作権が、いつ、どちらに移るのか。受託側としては「報酬の支払い完了をもって移転する」としておくと、未払いのまま使われるのを防げます。
また、著作者人格権の扱いにも注意してください。「著作者人格権を行使しない」という条項は一般的ですが、その範囲は確認しておきます。汎用的なノウハウやライブラリまで相手に渡らないよう、自社が従前から保有する権利は除外する旨を入れておくのが安全です。
5. 再委託
外注を使う可能性があるなら、再委託を可能にしておく必要があります。「事前の書面による承諾を得た場合に限り再委託できる」が一般的です。全面禁止の条項に安易に合意すると、自社だけで抱えきれなくなります。
6. 秘密保持
秘密情報の定義、例外(既に公知の情報など)、有効期間、契約終了後の返還・破棄。期間が「無期限」になっている契約書は、実務上の管理負担が大きくなります。
7. 損害賠償の上限
創業期の会社にとって最も重要な条項です。上限の定めがないと、月 20 万円の業務委託で、数千万円の損害賠償を請求される可能性が理論上残ります。
「本契約に基づき受領した報酬額を上限とする」という条項を入れられるかどうかを、必ず確認してください。故意または重過失の場合を除く、という但し書きが付くのが一般的です。
8. 契約期間と解除
- 期間と自動更新の有無
- 中途解約の可否と予告期間(いきなり打ち切られると資金繰りに直結します)
- 解除事由
- 契約終了後の残務、データの返還
印紙税
請負契約に該当する契約書には収入印紙が必要です(契約金額により 200 円〜)。電子契約なら印紙は不要とされています。契約件数が多いなら、電子契約の導入で費用が下がります。
雛形は各所で公開されていますが、金額の大きい契約、継続的な取引の基本契約は、弁護士に確認してもらう価値があります。1 度作った雛形は、その後何年も使えます。
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