法人成りの手続き — 個人事業を法人に切り替えるときにやること
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法人を作って終わりではありません。個人側の廃業、資産の引き継ぎ、契約の巻き直し、社会保険の切り替えまでが一続きです。
法人側と個人側、両方の手続きがある
法人成りは「法人を新しく作る」だけでなく、「個人事業をたたむ」手続きがセットです。個人側を放置すると、翌年も個人の確定申告が必要になったり、二重に課税されたりします。
個人側でやること
- 個人事業の廃業届 … 廃業から1か月以内に税務署へ
- 青色申告の取りやめ届出書 … 翌年3月15日まで
- 給与支払事務所等の廃止届出書 … 従業員がいた場合
- 予定納税の減額申請 … 廃業により所得が減る場合
- 最後の確定申告 … 廃業年分を翌年に申告
- 消費税の事業廃止届出書 … 課税事業者だった場合
資産と負債の引き継ぎ
個人の事業用資産を法人へ移す方法は3つです。
- 売買 … 法人が個人から時価で買い取る。最も一般的。個人側に譲渡所得が発生する場合があります
- 現物出資 … 資産を出資して株式を受け取る。500万円を超えると原則として検査役の調査が必要で、手続きが重くなります
- 賃貸借 … 個人が所有したまま法人に貸す。不動産や車でよく使われます
棚卸資産(在庫)の引き継ぎは消費税の課税対象になります。免税事業者だった個人から課税事業者の法人へ移すときなど、想定外の納税が出ることがあるので、税理士に確認してください。
契約の巻き直し
個人名義のままだと法人の経費にできない、あるいはトラブルの元になるものを洗い出します。
- 事務所・店舗の賃貸借契約
- 取引先との基本契約、請求先の変更
- リース、サブスクリプション、通信回線
- 各種保険
- 許認可(個人の許認可は法人に引き継げないものが多く、法人として取り直しが必要)
許認可の取り直しには時間がかかります。許可がない期間に営業すると無許可営業になるので、切り替えのスケジュールは最優先で確認してください。
社会保険
国民健康保険・国民年金から、健康保険・厚生年金へ切り替えます。法人は役員1人でも強制適用です。役員報酬を決めるのは設立から3か月以内なので、保険料の負担も含めて早めに試算してください。
インボイス
個人で登録していた適格請求書発行事業者の登録番号は、法人には引き継げません。法人として新たに登録申請が必要です。登録日までの期間は適格請求書を出せないため、取引先に影響が出ます。切り替え時期の調整が要ります。
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