信用保証協会付き融資とプロパー融資の違い — 創業期はどちらを狙うか
銀行からの借入れには 2 種類あります。創業期に現実的なのはどちらか、保証料の負担、制度融資の使い方まで整理しました。
2 種類の違い
| 信用保証協会付き融資 | プロパー融資 | |
|---|---|---|
| 仕組み | 信用保証協会が保証人になる | 金融機関が全リスクを負う |
| 返済できない場合 | 協会が金融機関に代位弁済(債務は協会へ移るだけで、免除ではない) | 金融機関が損失を被る |
| 審査 | 金融機関+保証協会の二段階 | 金融機関のみ。ハードルは高い |
| コスト | 金利+信用保証料 | 金利のみ |
| 創業期の現実性 | 高い | ほぼ不可能 |
創業期は保証協会付きが基本
金融機関が実績のない会社にプロパーで貸すことは、まずありません。創業期に銀行・信用金庫から借りる場合、実質的に信用保証協会付き融資の一択です。
信用保証料は保証額や期間、会社の財務状況に応じた料率で決まります。金利に上乗せされるコストと考えてください。自治体の制度融資を使うと、この保証料の一部または全額を自治体が補助してくれることがあります。
制度融資という選択肢
制度融資は、自治体・金融機関・信用保証協会の三者が連携する仕組みです。自治体が利子や保証料を補助するため、条件が有利になります。
デメリットは手続きに時間がかかることです。自治体の窓口での相談・あっせん → 金融機関の審査 → 保証協会の審査、と三段階を踏むため、申込から実行まで 2〜3 か月かかることがあります。急いでいる場合は日本政策金融公庫のほうが早いです。
公庫と銀行、どちらを先に当たるか
創業期は両方に当たるのが実務的です。日本政策金融公庫は創業融資を政策として行っており、実績のない事業者への貸出に慣れています。一方、地元の信用金庫・信用組合と取引を始めておくことには、別の意味があります。
事業が成長すると、日々の入出金、手形、給与振込、将来の追加融資といった関係が必要になります。創業期に小さくても借りて、きちんと返した実績は、次の融資で効きます。金額の大小より、取引履歴を作ることに意味があります。
経営者保証について
従来、中小企業の借入れには代表者個人の連帯保証が求められるのが一般的でした。近年は「経営者保証に関するガイドライン」や、保証を不要とする制度(経営者保証免除特例など)の整備が進んでいます。
法人と個人の資産・経理が明確に分離されていること、財務基盤が一定以上あること、経営の透明性が確保されていることなどが条件です。役員貸付金がある、会社の口座から個人の支出をしている、といった状態は「分離されていない」と判断されます。創業時から法人と個人のお金をきれいに分けておくことが、将来の条件交渉に効いてきます。
会社をつくった人に、最初に届く 1 冊
決算の進め方、PL のつくり方、創業時にやったほうがよい 10 のこと。 設立から 1 か月以内の方へ毎月お届けします。購読は無料で、 あわせてテンプレートの配布と無料ウェビナーもご利用いただけます。
