電子契約の効果
- 収入印紙が不要 … 課税文書は「文書」の作成に課税されるため、電子データには印紙税がかかりません。請負契約が多い事業では、年間で大きな差になります
- 郵送の往復がなくなる … 締結までの日数が数日から数分に
- 製本、押印、封入の手間がゼロ
- 保管と検索が楽 … 紙のファイルを探さなくてよい
- 締結状況の可視化(誰の承認で止まっているか)
法的効力
電子署名法により、一定の要件を満たす電子署名がされた電磁的記録は、本人の意思に基づくものと推定されます。紙の契約書に押印した場合と同様の効力を持ちます。
- 当事者型 … 契約当事者自身が電子証明書を取得して署名。証明力が高い
- 立会人型(事業者署名型) … サービス事業者が、メール認証等で本人確認したうえで署名。相手方の負担が小さく、実務で広く使われています
相手が対応できるか
最大の障壁はここです。
- 相手が紙を求める … 官公庁、一部の大企業、高齢の事業主
- 相手の社内規程で電子契約が認められていない
- 電子メールアドレスを持っていない
立会人型なら、相手はメールのリンクをクリックして署名するだけで、アカウント登録も費用も不要なサービスが多い。相手の負担を説明すると、受け入れられることが増えます。
電子化できない契約
法令で書面の交付が義務づけられているものがあります(要件は法改正で緩和が進んでいます)。
- 一部の不動産取引の書面(電子化が認められる場合もあります)
- 定期借地契約、定期建物賃貸借契約(公正証書等の要件があるもの)
- その他、個別法で書面性が求められるもの
迷う契約類型は、事前に確認してください。
選ぶときの比較軸
- 料金体系 … 月額固定か、送信件数による従量課金か
- 相手方の費用負担 … 受信側が無料で署名できるか
- 電子帳簿保存法への対応 … 締結した契約書は電子取引データなので、保存要件を満たす必要があります
- 検索性 … 取引年月日、金額、取引先で検索できるか
- 権限管理、承認フロー
- データのエクスポート … 解約時に取り出せるか
運用で決めること
- 誰が締結できるか … 金額に応じた承認ルール
- アカウント管理 … 個人アカウントを共有しない。退職時の権限剥奪
- 紙との併用ルール … どちらを原則にするか
- 保管 … サービス上だけでなく、自社のストレージにもダウンロードして保存
導入の順序
全契約を一気に切り替える必要はありません。社内文書(雇用契約、秘密保持誓約)から始め、次に協力的な取引先、最後に慎重な相手という順で広げるのが現実的です。
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