なぜ分割するのか
数年にわたって使う資産は、使う期間にわたって費用にするのが会計の考え方です。100万円の機械を買っても、その年に100万円の経費にはなりません。
金額による処理の違い
| 取得価額 | 処理 |
|---|---|
| 10万円未満 | 全額をその年の経費(消耗品費) |
| 10万円以上20万円未満 | 一括償却資産として3年で均等償却、または通常の減価償却 |
| 10万円以上30万円未満 | 少額減価償却資産の特例(青色申告の中小企業者等、年間300万円まで)で全額経費 |
| 30万円以上 | 耐用年数にわたって減価償却 |
判定は税抜経理なら税抜価格、税込経理なら税込価格で行います。免税事業者は税込で判定するため、29万円の備品が税込で30万円を超えて特例が使えない、ということが起きます。
定額法と定率法
- 定額法 … 毎年同じ額を償却。建物・建物附属設備・構築物・ソフトウェアは定額法
- 定率法 … 初年度に多く償却し、年々減っていく。早期に費用化したいなら有利
法人の機械装置・車両・工具器具備品は、届出をしなければ定率法が法定償却方法です。個人事業は逆に定額法が原則で、定率法を選ぶには届出が必要です。
中古資産の耐用年数
中古で買った資産は、耐用年数を短く見積もれます。
(法定耐用年数 − 経過年数) + 経過年数 × 20%
(2年未満なら2年)
普通自動車(法定6年)の4年落ちなら、(6−4)+4×0.2 = 2.8 → 2年。定率法なら初年度でほぼ全額を償却できます。「4年落ちの中古車が節税になる」と言われるのはこれが理由です。
ただし、節税のために不要な車を買えば現金は確実に減ります。事業に必要かどうかが先です。
月割りに注意
期の途中で取得した資産は、使用を開始した月から月割りで償却します。期末に買っても、その期に落とせるのは1か月分だけです。「決算前に駆け込みで買う」効果は限定的だと理解してください。
償却資産税も発生する
取得価額10万円以上の事業用資産(車両を除く)は、毎年1月31日までに市区町村へ償却資産申告が必要です。課税標準額の合計が150万円未満なら課税されませんが、申告自体は必要です。設立初年度に見落とされやすい手続きです。
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