何が起きるか
外貨建てで取引すると、契約時と入金時のレートの差が損益になります。
10万ドルの輸出契約を、1ドル150円のときに結び、入金時に140円になっていた場合。
- 契約時の想定 … 1,500万円
- 実際の入金 … 1,400万円
- 為替差損 100万円
利益率が10%の取引なら、利益が丸ごと消えます。
最も簡単な対策:円建てにする
取引通貨を日本円にすれば、為替リスクは相手が負います。まずこれを交渉してください。
- 相手が受け入れるかは力関係によります
- 相手にリスクが移るため、価格面で譲歩を求められることがあります
- それでも、読めない変動を抱えるより確実です
外貨建てにする場合の対策
①為替予約(先物予約)
将来の特定日に、あらかじめ決めたレートで交換する契約を銀行と結びます。レートが確定するので、計画が立てられます。
- 金融機関との取引実績が必要な場合があります
- 予約した日に決済しないと、差額の精算が発生します
- 入金時期がずれるリスクを考慮して期間を設定する
②外貨預金口座で受け取る
受け取った外貨を円に替えず、外貨のまま支払いに使う。輸入と輸出の両方がある事業では、自然にリスクが相殺されます(マリー)。
③価格に為替変動分を織り込む
見積時のレートより余裕を持たせる。ただし価格競争力は落ちます。
④契約に為替条項を入れる
「一定以上レートが変動した場合は価格を再協議する」という条項。小規模取引では現実的です。
創業期に現実的な順序
- 円建てを交渉する … 費用ゼロで最も効果的
- 取引額が小さいうちは、変動を許容する(金額が小さければ影響も小さい)
- 取引額が増えたら、為替予約を検討する
取引額が数十万円の段階で複雑な手法を使う必要はありません。まず円建て、それが無理なら金額を小さく保つ。
会計処理
- 外貨建ての債権債務は、決算時に期末レートで換算し、差額を為替差損益として計上します
- 外貨預金も同様
- 為替差損益は営業外損益なので、本業の利益とは分けて把握してください
手数料も見る
為替リスクとは別に、両替手数料と送金手数料が発生します。
- 銀行の為替手数料(TTSとTTBの差)
- 海外送金手数料(送金側・受取側の双方、さらに中継銀行)
- 少額の取引では、手数料が利益を圧迫します
手数料の安い送金サービスを比較するだけで、コストが大きく変わることがあります。
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