先に決めるのは「誰が入力するか」
会計ソフト選びでよくある失敗は、機能や価格を比較してから決めて、後で顧問税理士と連携できないと分かるパターンです。まず記帳の分担を決めてください。
- 自分で記帳する … 銀行・カード連携で仕訳を自動起票できるクラウド会計が有利。月額は数千円
- 税理士に丸ごと任せる … 税理士側の指定ソフトに合わせるのが最短。自社では請求書発行や経費精算だけを行う
- 分担する(日常は自社、決算は税理士) … 最も多い形。税理士がそのソフトに対応しているかを、契約前に必ず確認します
クラウド会計を選ぶ場合の比較軸
- 銀行・クレジットカードの連携対応 … 自社が使っている金融機関に対応しているか。ここが対応していないと自動化のメリットが消えます
- 電子帳簿保存法への対応 … 電子取引データの保存要件を満たす機能があるか
- インボイス対応 … 適格請求書の発行と、受領した請求書の登録番号の管理
- 給与計算との連携 … 従業員を雇う予定があるなら、同じ系列で揃えると仕訳連携が楽です
- 他ソフトからのデータ移行 … 後から乗り換えるときのコストに直結します
月額より「1 年トータル」で比較する
会計ソフト代が月 3,000 円でも、決算申告を税理士に依頼すれば別途 10〜25 万円かかります。記帳代行まで頼めばさらに上乗せです。
比較すべきは、ソフト代 + 税理士報酬 + 自分の作業時間の合計です。自分で記帳して月 10 時間かかるなら、その時間を営業に使った場合の機会損失も考慮に入れてください。創業期の経営者の時間は、会社で最も高い資源です。
最初に設定しておくこと
- 事業用の銀行口座とクレジットカードを分ける … これをやらないと、自動連携しても私的支出の仕分けに時間を取られます。会計ソフト選び以前の前提条件です
- 勘定科目を決める … 最初にざっくり決めて、以降は揺らさない。期の途中で科目を変えると比較ができなくなります
- 消費税の経理方式 … 税込経理か税抜経理か。免税事業者は税込経理です
乗り換えのタイミング
会計ソフトの乗り換えは、期首に行うのが原則です。期の途中で変えると、残高の引き継ぎと仕訳の整合で手間がかかります。
創業期に選んだソフトが合わないと感じたら、翌期首に切り替える前提で、それまでは我慢するほうが総コストは小さくなります。乗り換え前には、前のソフトからデータを書き出して保管してください。帳簿は 7 年保存が必要で、契約を解約するとデータが見られなくなるサービスもあります。
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