積み上げる項目
日本の小売価格をそのまま外貨換算すると、必ず失敗します。次を積み上げてください。
- 製造原価
- 国内の輸送費、梱包費 … 輸出用の梱包は国内より頑丈にする必要があります
- 通関費用、書類作成費
- 国際輸送費、保険料
- 輸入国の関税 … HSコードで決まります。EPAが使えれば下がります
- 輸入国の消費税・付加価値税
- 現地の輸入業者・卸のマージン
- 小売のマージン
- 販促費
現地の流通段階が多いほど、最終小売価格は跳ね上がります。日本の出荷価格の2〜3倍になることも珍しくありません。
建値(インコタームズ)で価格が変わる
どこまでの費用を含むかで、提示価格の意味が変わります。
- EXW(工場渡し) … 自社の工場で引き渡し。以降は相手負担
- FOB(本船渡し) … 船積みまで自社負担。輸出でよく使われます
- CIF … 運賃・保険料込み
- DDP … 関税まで負担して相手先まで届ける。最も自社の負担が大きい
見積書には必ず建値を明記してください。「1個10ドル」だけでは、どこまで含むか分かりません。
現地の価格水準を調べる
- 類似商品が現地でいくらで売られているか(実店舗とECの両方)
- 日本製品がプレミアム価格で受け入れられているか
- 現地の所得水準との関係
積み上げた価格が現地の相場を大きく超えるなら、その市場では売れません。コストを下げるか、市場を変えるか、高価格帯として売る戦略を取るかの判断になります。
最低ロットを決める
小口の輸出は、1個あたりの物流・通関コストが高くつきます。最低発注数量(MOQ)を設定し、それ未満は受けないか、割増価格にしてください。
価格表の作り方
- 数量帯別の価格 … 100個、500個、1,000個
- 建値と通貨を明記
- 有効期限 … 「見積日より30日間」。為替変動と原材料高騰への備え
- 支払条件(前払いか、信用状か)
- 納期
値引き交渉への備え
海外の商談では値引き交渉が前提の文化圏があります。最初から下限価格を提示すると、下げる余地がなく交渉が決裂します。ある程度の幅を持たせた価格から始めるのが実務的です。
消費税の輸出免税
商品の輸出は消費税が免税になり、仕入れにかかった消費税の還付を受けられる可能性があります。輸出取引が増えるなら、あえて課税事業者を選択したほうが有利になる場合があります。輸出許可通知書などの証拠書類の保存が要件です。税理士に相談してください。
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