NEXT CEO
冊子をもらう

輸出取引の消費税 — 免税と還付の仕組み

2 分で読めます

商品の輸出には消費税がかかりません。それどころか、仕入れた分の還付を受けられることがあります。要件と手続きを整理します。

目次(7 項目)
  1. 輸出は免税
  2. 還付が受けられる理由
  3. 免税事業者は還付を受けられない
  4. 証拠書類の保存が要件
  5. 還付申告の実務
  6. 越境ECの場合
  7. インボイス制度との関係

輸出は免税

国内から商品を輸出する取引は、消費税が免除されます(輸出免税)。消費税は国内の消費に課税する税金なので、海外で消費されるものには課さないという考え方です。

対象になるのは主に次の取引です。

  • 商品の輸出(本邦からの輸出として行われる資産の譲渡・貸付け)
  • 国際輸送、国際通信、国際郵便
  • 非居住者に対する一定の役務の提供(コンサルティング、デザインなど。ただし国内で直接便益を受けるものは除く)

還付が受けられる理由

ここが重要な点です。輸出売上には消費税がかからない一方、仕入れには消費税を払っています。

  • 売上にかかる消費税 … ゼロ(免税)
  • 仕入れにかかった消費税 … 支払っている

納税額は「預かった消費税 − 支払った消費税」なので、マイナスになり、その分が還付されます。

輸出の比率が高い事業では、毎期還付を受けることになります。

免税事業者は還付を受けられない

ここが判断の分かれ目です。免税事業者は、そもそも消費税の申告をしないため、還付も受けられません。

輸出が多い事業者は、あえて課税事業者を選択したほうが有利になることがあります。

  • 「消費税課税事業者選択届出書」を、適用を受けたい課税期間の開始日の前日までに提出
  • いったん選択すると、原則2年間は免税事業者に戻れません
  • 簡易課税では還付を受けられません(本則課税である必要があります)

証拠書類の保存が要件

輸出免税の適用を受けるには、輸出の事実を証明する書類の保存が必要です。保存がないと免税が認められず、課税されます。

  • 輸出許可通知書(税関から交付されるもの)
  • 郵便物として輸出する場合は、日本郵便の発行する書類や、価額が一定額を超えるものは輸出許可通知書
  • 国際輸送・国際通信等の場合は、契約書等

保存期間は7年間です。通関を業者に任せている場合でも、書類は自社で保管してください。

還付申告の実務

  • 還付申告書に加えて、明細書の添付が必要です
  • 税務調査の対象になりやすい … 不正還付の事例があるため、厳格に確認されます。書類を完全に揃えてください
  • 還付までの期間は、申告から1〜2か月程度が目安
  • 課税期間を短縮する届出を出せば、還付を早く受けることもできます(3か月ごと、1か月ごと)。ただし申告の手間が増えます

越境ECの場合

個人向けの少額な国際発送でも、輸出免税の対象になり得ます。ただし証拠書類の要件を満たす必要があります。

  • 少額の郵便物では、発送伝票の控えや発行された書類が証明になる場合があります
  • プラットフォーム経由の販売では、誰が輸出者になるかで扱いが変わります

取扱いが細かく、判断を誤ると追徴になります。輸出を本格的に始める前に、税理士に相談して体制を整えてください。

インボイス制度との関係

輸出免税取引についても、課税事業者であれば帳簿と書類の保存要件を満たす必要があります。国内の仕入れについては、適格請求書の保存がないと仕入税額控除ができない点は同じです。還付を受けるうえで、仕入先のインボイス対応状況は直接影響します。

この記事をシェアする


経営者のコメント

同じ時期に会社をつくった経営者が、この記事にどう向き合ったか。

コメントの投稿は会員限定です。 冊子を受け取る(無料会員登録)

無料

会社をつくった人に、最初に届く 1 冊

決算の進め方、PL のつくり方、創業時にやったほうがよい 10 のこと。 設立から 1 か月以内の方へ毎月お届けします。購読は無料で、 あわせてテンプレートの配布と無料ウェビナーもご利用いただけます。