最優先の2条項
①準拠法(Governing Law)
どの国の法律で契約を解釈するか。日本法にできれば最も有利ですが、相手も同じことを考えます。第三国の法(シンガポール法、英国法など)で折り合うこともあります。
②紛争解決(Dispute Resolution)
争いになったとき、どこで解決するか。
- 訴訟 … どの国の裁判所か。日本の判決は、多くの国でそのままでは執行できません
- 仲裁 … 仲裁機関、仲裁地、言語を指定。ニューヨーク条約により、仲裁判断は多くの国で執行できます
国際取引では仲裁条項を入れるのが標準的です。判断の執行可能性がまったく違います。
日本の契約書との違い
| 日本 | 英文契約 |
|---|---|
| 短い。「協議の上」で済ませる | 長い。あらゆる事態を明文化 |
| 信頼関係が前提 | 契約書が唯一の根拠 |
| 「甲乙協議」条項 | 書いていないことは義務にならない |
「誠意をもって協議する」という条項は、英米法の実務ではほとんど意味を持ちません。必要なことは全部書く必要があります。
押さえるべき条項
- Definitions(定義) … 用語の意味を確定させる
- Scope of Work … 業務・供給の範囲
- Price and Payment Terms … 通貨、支払期日、遅延利息
- Delivery / Incoterms … FOB、CIF、DDPなど。費用とリスクの移転点
- Warranty(保証) … 期間、範囲
- Limitation of Liability(責任制限) … 上限額を必ず入れる。入っていないと無限責任になり得ます
- Indemnification(補償) … 第三者からの請求への対応
- Force Majeure(不可抗力)
- Confidentiality
- Term and Termination … 期間、解除事由、解除の予告期間
- Entire Agreement(完全合意) … 契約書以外のやり取りは効力を持たない、という条項。メールでの合意が無効になります
- Assignment … 権利義務の譲渡制限
危険な条項
- 責任制限がない
- Indemnificationが一方的 … 自社だけが相手を補償する構造
- 自動更新+長期の解除予告
- 広範な独占権 … 最低購入数量なしの独占は避ける
- 相手国の裁判所を専属管轄とする … 訴訟費用が現実的でなくなります
やってはいけないこと
- 相手の雛形をそのまま署名する … 相手に有利に作られています
- 機械翻訳だけで理解した気になる … 法律用語は日常語と意味が違います
- 署名欄の権限を確認しない … 署名者に代表権があるか
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